Jetson TX1をモバイルバッテリーで動かす(12V/2.5A)

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名刺サイズのモジュール本体でありながらディープラーニングの推論ができるJetson TX1だが、購入時の開発キットはMini-ITXサイズで大きいため、下記のキャリアーボードに載せ替えた。 connecttech.com

電源周りの試行錯誤で苦労したので、使用した機材について解説する。

DC電源ケーブル(メス)

このキャリアボードは電源端子がターミナルブロックなので、導線をネジ止めで直付する必要がある。以下のようなDC電源コネクタを使用した。導線が太く、端末ハンダ半田仕上げされている、マイナスドライバーだけで接続できるのでおすすめ。

バッテリーとACアダプター

このキャリアボードは電圧が9〜14Vで動作する。12Vの場合は電流が最大1.75A(21W)必要になる(ユーザーガイド参考)。 この要件を満たし、小型で容量が多いものを選定した結果、以下のモバイルバッテリーを使用した。一般的なモバイルバッテリーはUSB 5V出力だが、これはUSB PD(Power Delivery)規格に対応しておりUSB Type-Cポートで12V/2.5Aで出力できる。

また、USB Type-Aポートからも給電でき、Type-C/Type-A合計で48Wまで出力できるのもポイント。作成したロボットでは、Type-CをJetson電源およびモーター電源、Type-AをLCD電源供給用に使っている。モーター可動させながら、ディープラーニング推論デモ(detectnet-camera)を動作させてもシャットダウンしなかった。

※ このバッテリーはPSEマークが無いので購入/使用は自己責任でお願いします (追記:2019/6以降はPSEマークが付いているようです)

なお、公式フォーラムの質問ではニッケル水素バッテリーがおすすめされている。

また、開発中など有線で使う場合は、12V/3A出力できる以下のようなACアダプターを使うと良い。

PDトリガー

上記バッテリーのUSB PDは5V/9V/12V/15V/20Vの電圧出力に対応しており、そのままUSB Type-Cケーブルを繋ぐだけではどの電圧を使うのかわからないため使用できない。USB PDトリガーというデバイスを利用することで、利用する電圧を指定して取り出すことができる。 テスター機能もある多機能なPDトリガーデバイス「AVHzY」 を利用した。使い方はこの記事がわかりやすい。

なお、AVHzYでPDトリガー機能を利用する場合は電圧指定の操作が必要だが、こちらの記事で言及されているZY12PDというUSB PDデバイスを利用すると固定電圧でケーブル接続だけで使えるらしい。ただし、購入難易度が高そうなので却下した。

(2019/11/16 追記:ケーブル接続だけで使えるPDトリガーを購入しました

USB - DC電源ケーブル(オス)

AVHzYのUSB Type-A出力とJetsonを接続するケーブルとして、USB-DC電源ケーブルを利用した。