ロボットケースを安く簡単に作る

ハードウェア(ケース)の試作を作る場合はプラ板や段ボールがおすすめ。軽くてある程度強度があるし、なにより加工が楽だ。安価な材料で、試作ケースを作成する方法を解説する。

CADを使った設計

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いきなり加工するのではなく、Fusion 360などのCADツールを使い、事前に部品寸法を設計/確認しておくと良い。

Fusion 360の使い方はこのシリーズの動画が参考になった。15分程度見るだけでも簡単な操作はできるようになる。

設計ができたら、下記の部材を揃えて制作する。

ケース材料

1mm以上のプラ版がおすすめ。角材は部品を固定する際に使う。

タミヤ 楽しい工作シリーズ No.130 プラ材3mm角棒10本入 (70130)

タミヤ 楽しい工作シリーズ No.130 プラ材3mm角棒10本入 (70130)

  • Amazonの段ボール(笑)

プラ板 接着剤

プラスチックを溶かして接着する。上記の角棒を部品配置レールとして貼り付ける際に重宝する。

プラ版 カッター(切断)

プラ版はけがいた後に折って切断する。普通のカッターではけがくことができないので専用のものを使う。

オルファ(OLFA) PカッターL型 205B

オルファ(OLFA) PカッターL型 205B

ドリル(穴あけ)

ドリルは何回も使うことになるので電動のほうが良い。自分で組み立てる必要があるが、安価なタミヤ電動ドリルがおすすめ。標準で2.0mmドリル刃が付いて来るが、3.0mmドリル刃だと下記のM3ネジの穴を一回で開けられるので買っておくと楽。

タミヤ クラフトツールシリーズ No.49 ベーシックドリル刃セット 74049

タミヤ クラフトツールシリーズ No.49 ベーシックドリル刃セット 74049

ねじセット

下記のねじセットは、高さ調整に使えるスペーサーの種類が豊富で、ねじの量も多くて使い勝手が良い。ナイロンだと取り扱いがしやすいが、力を入れすぎるとネジ頭が歪んでしまうので注意。

ドライバー

一家に一台あると便利なドライバーセット。

Jetson TX1をモバイルバッテリーで動かす(12V/2.5A)

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名刺サイズのモジュール本体でありながらディープラーニングの推論ができるJetson TX1だが、購入時の開発キットはMini-ITXサイズで大きいため、下記のキャリアーボードに載せ替えた。 connecttech.com

電源周りの試行錯誤で苦労したので、使用した機材について解説する。

DC電源ケーブル(メス)

このキャリアボードは電源端子がターミナルブロックなので、導線をネジ止めで直付する必要がある。以下のようなDC電源コネクタを使用した。導線が太く、端末ハンダ半田仕上げされている、マイナスドライバーだけで接続できるのでおすすめ。

バッテリーとACアダプター

このキャリアボードは電圧が9〜14Vで動作する。12Vの場合は電流が最大1.75A(21W)必要になる(ユーザーガイド参考)。 この要件を満たし、小型で容量が多いものを選定した結果、以下のモバイルバッテリーを使用した。一般的なモバイルバッテリーはUSB 5V出力だが、これはUSB PD(Power Delivery)規格に対応しておりUSB Type-Cポートで12V/2.5Aで出力できる。

また、USB Type-Aポートからも給電でき、Type-C/Type-A合計で48Wまで出力できるのもポイント。作成したロボットでは、Type-CをJetson電源およびモーター電源、Type-AをLCD電源供給用に使っている。モーター可動させながら、ディープラーニング推論デモ(detectnet-camera)を動作させてもシャットダウンしなかった。

※ このバッテリーはPSEマークが無いので購入/使用は自己責任でお願いします (追記:2019/6以降はPSEマークが付いているようです)

なお、公式フォーラムの質問ではニッケル水素バッテリーがおすすめされている。

また、開発中など有線で使う場合は、12V/3A出力できる以下のようなACアダプターを使うと良い。

PDトリガー

上記バッテリーのUSB PDは5V/9V/12V/15V/20Vの電圧出力に対応しており、そのままUSB Type-Cケーブルを繋ぐだけではどの電圧を使うのかわからないため使用できない。USB PDトリガーというデバイスを利用することで、利用する電圧を指定して取り出すことができる。 テスター機能もある多機能なPDトリガーデバイス「AVHzY」 を利用した。使い方はこの記事がわかりやすい。

なお、AVHzYでPDトリガー機能を利用する場合は電圧指定の操作が必要だが、こちらの記事で言及されているZY12PDというUSB PDデバイスを利用すると固定電圧でケーブル接続だけで使えるらしい。ただし、購入難易度が高そうなので却下した。

(2019/11/16 追記:ケーブル接続だけで使えるPDトリガーを購入しました

USB - DC電源ケーブル(オス)

AVHzYのUSB Type-A出力とJetsonを接続するケーブルとして、USB-DC電源ケーブルを利用した。